眼瞼下垂(がんけんかすい)ってどんな病気?
上まぶたの皮膚がたるんで、まぶたを引き上げる力が弱まってしまう病気です。視界が狭くなることで車の運転や日常に支障が出てしまう場合も。無理に目を開けようとするので、無意識に肩や首に力を入れてしまって慢性的な肩こり、頭痛を引き起こす場合があります。また、眉に力を入れて目を開けようとするため、額にシワが刻まれる原因にもなり得るのです。
まぶたが目を覆うと見た目にも変化が訪れます。眠そう、疲れていそう、目つきが悪い、などの印象を与えかねません。
■眼瞼下垂のセルフチェック
・まぶたが重く感じるようになった
・肩こりや片頭痛が起こるようになった
・年齢と共に目が小さくなった
・目つきが悪いと言われるようになった
・目が開けにくくなった
・額のシワが目立つようになった
・目の奥が痛むようになった
セルフチェックで3つ以上当てはまる人は眼瞼下垂の可能性が高いので、眼科で診察を受けてみましょう。そして、眼瞼下垂は3種類に分類されます。
■先天性眼瞼下垂(せんてんせいがんけんかすい)
まぶたの筋肉が生まれつき弱く、発達していない状態です。目が細い、視野が狭いのが特徴です。眼球の動きや視力に問題ない場合が多く、片方だけ眼瞼下垂になっていることもあります。子供の場合、2歳から手術での治療が可能です。
■後天性眼瞼下垂(こうてんせいがんけんかすい)
問題なくまぶたが開いていたのが、徐々に開かなくなってしまった状態です。年齢を重ねた人に多く、若い人でも乱れた生活習慣や病気、ハードコンタクトレンズを長期間使用していると起こりやすくなります。
■偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)
まぶたの筋肉に異常がないにも関わらずまぶたが重い、目が開けずらいなど眼瞼下垂と似た症状が起こっている状態です。加齢による眉毛下がり、まぶたの痙攣、甲状腺の病気などが原因とされています。
眼瞼下垂の治療ってどんなことをするの?
治療方法は軽度や症状によって違います。また、眼瞼下垂の治療には保険が適用されるのですが、こちらは切開の手術を行った場合に限られるので注意が必要です。
■軽度は切らない埋没法
腫れや痛み、傷跡の負担を可能な限り少なくできる治療方法です。髪の毛より細い糸で挙筋(まぶたを引き上げる筋肉)を結び、まぶたを開きやすくします。無理に目を開けなくて済むので、額のシワ改善や目力アップにも繋がります。もし仕上がりに満足できなかった場合は、元に戻して時間を置いてやり直すこともできます。
まぶたが覆いかぶさり、眠そうだった目が・・・
スッキリしました!
■埋没法のメリット
・負担をかけずに治療できる
・治療が短時間や短期間で済む
・気に入らなければ元に戻せる
■埋没法のデメリット
・効果は長く続かない
・保険が適用されない
■中~重度は切開法
まぶたの皮膚を切開するので多少なりとも負担がかかりますが、確実に眼瞼下垂を治療できます。上まぶたの皮膚を切り、挙筋腱膜を縫い縮めて眼瞼下垂を大幅に改善させます。
重度の眼瞼下垂もこんなにパッチリ!
■切開法のメリット
・長期的に効果が持続する
・保険が適用される
・肩こりや頭痛の改善にもなる
■切開法のデメリット
・治療に時間と期間がかかる
・多少なりとも腫れや痛みが出る
眼瞼下垂にならないための予防法&トレーニング
先天性眼瞼下垂は生まれついてのものですが、後天性眼瞼下垂は予防できます。眼瞼下垂になりやすい人の特徴をお伝えしますので、多く当てはまる人は予防とトレーニングを考えてみてください。
■眼瞼下垂になりやすい人チェック
・アトピーや花粉症などで良く目をこする
・長時間ハードコンタクトレンズを使用している
・逆さまつ毛がある
・長時間パソコンやスマホをする
・目を酷使する仕事をしている
・白内障手術の経験がある